Porsche Sprint Challenge Japan

2025 第6戦(SUZUKA) 決勝レポート

第6戦 決勝レース:
時間: 15:30-15:58 / 天候: 雨 / 路面: ウェット / 気温: 22度 / 路面: 24度

第5戦と同日の午後に同じく鈴鹿サーキットで第6戦の決勝レースが行われた。グリッド整列15分前に、降り続いていた霧雨が大粒の雨に変わり、各車ともレインタイヤ一択のレースとなった。フォーメーションラップからすぐさまローリングスタートは切られず、オープニングラップから2ラップまでセーフティカー先導のまま有効周回とされた。かくしてヘビーウェットの条件下で実質的に残り8ラップ、予選グリッド順にほぼ1列の状態から、シグナルグリーンでレースはスタートした。

スタート直後の1-2 コーナーで、2番手からスタートした#14 内山清士が、トップの#1 KEN YAMAMOTOをアウト側からオーバーテイク、そのままセクター2でトップに躍り出た。かくして前戦ウィナーの#14 内山に引っ張られる形で、GT3-IIクラスの#15 橋村剛までの3台のトップグループが、早くも4位以降のセカンドグループを引き離していく。この事実上のオープニングラップで#14 内山は後続に4.188秒のビハインドを浴びせ、優位なレース運びを展開する。トップ3台から約5秒から離れた4位ポジションには#16 岸本裕之が収まる。が、背後には前戦で痛恨のスピンでセカンドグループ争いから脱落した#55 田中誠也が、オープンクラスの#3 TETSUO OGINOを早々に交わして5位浮上、コンマ数秒で積極的に#16 岸本にチャージをかけ始めた。さらに約2秒差で、前戦で軽い接触によるボディ破損でリタイアを余儀なくされていた#22 小山雅也が詰め寄り、セカンドグループは4台が拮抗する展開に。さらに後方では#60 seiMeiがセクター2でやや失速したところを#11Booがパス、10位と11位が入れ替わった。

レース中盤、雨足はスタート直後よりも弱まったがヘビーウェット路面は変わらず、各車とも水煙が巻き上がる中で果敢に接近戦を繰り広げては、一歩も引かないシーンが続いた。首位を走る#14 内山は#1 KEN YAMAMOTOに対して6秒以上のギャップを保ち続け、ペースが上がらずスプーン出口ではらんだ後者を、GT3-IIクラスの#15 橋村が7ラップ目の130Rでついにパス。続く8ラップ目には2分23秒台を叩き出すなど、GT3-Iクラス2台の間に割って入る好パフォーマンスをみせた。#16 岸本と#55 田中は4-5位ポジションを争う、後者が6ラップ目の1-2コーナーでアウトにはらんでタイムロスし、前者が逃げ切るかに見えたがペースが上がらない。残り2ラップになって約0.5 ~ 1秒強、速いラップタイムを刻んでいた#55 田中、#3 TETSUO OGINO、#22小山に#16岸本が急速に追い上げられる展開となった。

ファイナルラップに入っても上位陣の手堅いペースは変わらず、#14 内山― #15 橋村― #1 YAMAMOTOのオーダーで各車ほぼ4秒差の等間隔で、チェッカーフラッグを受けた。ファイナルラップで大きな動きがあったのは、セカンドグループの争いだった。まず逆バンクで#3 TETSUO OGINOに仕掛けようとラインを変えた#22 小山が姿勢を大きく崩してコースアウト。自力でコース復帰を果たすがGT3-Iクラスの最後尾にまで順位を落とすタイムロスとなってしまった。ところがその先、デグナーカーブの奥でセカンドグループの先頭を行く#16 岸本がアンダーステアから痛恨のコースアウトを喫し、コース復帰したところで左側面が#55 田中の車両と接触し#55 田中はスピン。ここで漁夫の利を得たのは背後から粘り強いレースを続けていた#3 TETSUO OGINOで、総合4位へと躍進、そのままチェッカーを受けた。

レース後、#16 岸本はコース復帰を急ぎ過ぎたとしてレース結果に40秒加算のペナルティを受けたため、#39 Ogutea がGT3-Iクラスの3位を獲得する最終結果となった。またGT3-Iクラスのシリーズポイントは、第5-6戦をそれぞれ2位で終えた#1 KEN YAMAMOTO が30ポイントを加えた計70ポイントとなり、暫定ランキングリーダーの座を#83 芳賀誠から奪回した。ランキング3位には第5戦で12ポイントを得た#16 岸本が計47ポイント、4位は#25 久岡で計43ポイントとなった。

PSCJ 2025の第7戦および最終戦となる第8戦は、11月9日(日)に富士スピードウェイでの開催を予定している。

第6戦 ドライバーコメント

総合 & GT3―I クラス1 位 #14 内山 清士
午前中に出たシフトダウンしない症状もなく車が復調してくれて楽しめました。スタート直後に仕掛けるのは決めていた訳じゃないですけど、レインタイヤの場合はブレーキだけで温めるとショルダーの角が1回だけグリップするので、それを利用する判断でやってみました。
GT3―I クラス2 位 #1 KEN YAMAMOTO
折角P.P. からのスタートでしたけど、セーフティカー明けの1 コーナーのブレーキングで#14 内山清士選手に外からまんまとやられました。やはり経験豊富なドライバーは引き出しが色々とありますね。大人しい走りに見えたかもしれませんが、ポイントランキングも意識して、とにかく無事にチェッカーを受けることを心がけました。
GT3―I クラス9 位 #22 小山 雅也
#3 TETSUO OGINO 選手に仕掛けようとして、逆バンクで回っちゃっいました。え?彼はその後、前の2台を抜いていったの?タラレバになるけど、あれを我慢してそのままついていったら違うリザルトだったんだろうね。まぁ最後尾に落ちてしまいましたけど仕方ないです。
GT4 クラス1 位 #51 山口 達雄
午前のレースではこちらがスリックで、セクター1後半からセクター2は、レインタイヤの911勢についていけたんですけど、ウェットになると差は感じますね。バトルする相手じゃないことは分かっていたので、2レースとも難しいレースでしたけど無理せず走りました。鈴鹿にも少し慣れてきましたしね。