Porsche Sprint Challenge Japan

2025 第5戦(SUZUKA) 決勝レポート

第5戦 決勝レース:
時間: 10:24-10:48 / 天候: 曇り / 路面: ダンプ~ドライ / 気温: 23度 / 路面: 26度

前回の岡山での第3-4戦に続き、予選と決勝×2戦で日付をまたぐ2デイ開催となった第5戦。朝一番で迎えた決勝は、曇り空の下で蒸し暑く、路面はウェットかダンプか判別しづらい状態。コースオープンまでレインかスリックか、タイヤの選択に悩まされたドライバー&チームが多かったようだ。出走14台中、半数の7台がレインタイヤを履いてグリッドに整列したが、ポールシッターの#14 内山清士を筆頭に#16 岸本裕之、#55 田中誠也、#39 Ogutea の4台はグリッド上でスリックタイヤへの履き替えをチョイス。逆に12~14番手グリッドの#11 BOO、#22 小山雅也、#25 久岡卓司の3台はレインタイヤでスタートすることを選択した。フォーメーションラップで各車が隊列を整えた後、セーフティカーがピットロードに入り、ローリングスタートで決勝レースの幕が明けた。

オープニングラップでトップ7台は順位を入れ替えることなく、クリーンな展開で慎重にレースに入っていった。後方ではレインタイヤを巧みに温めた#25 久岡が、13番手グリッドから8位ポジションまでジャンプアップに成功。だが2ラップ目の第2コーナーで4位ポジションを走行していた#55 田中誠也がスピンし、一時コース外に出た後に復帰、最後尾からの追い上げとなった。
#14 内山をリーダーに、約1秒差ずつ#1KEN YAMAMOTOと#15 橋村という3台のトップグループが、#55 田中が抜けた4位争いのセカンドグループを次第に引き離していく。3ラップ目には2分10秒台、4ラップ目以降は2分9秒台へ突入しながらも、GT3-IIクラスの#15 橋村がペースを落とさず追走、3台の差が開かず膠着した展開が続く。また4列目スタートだった#94 佐野隆之を#39 Ogutea がかわし、7位に浮上した。

セカンドグループでは、4位争いが熾烈を極めていた。現在ポイントリーダーの#83 芳賀誠を同3位の#16 岸本が、コンマ数秒差のまま激しくプッシュする。序盤は2分14秒台だった2台のペースが、徐々に路面が乾くコンディションも手伝って、中盤には2分12秒台へとヒートアップしていった。
レース折り返しの5ラップ目、トップ3はすでにドライのペースといえる2分9秒台に突入していた。ただしペースが上がり切らない#14 内山を、僅かに上回るラップタイムで#1 KEN YAMAMOTOが周回し、一時は1.169秒差にまで詰め寄るなど一進一退の攻防が続いた。その約1.5秒後ではGT3-IIクラストップ、総合3位ポジションを走る#15 橋村が時には先頭2台を凌ぐペースを見せる。4位争いはさらに激しさを増し、セクター2で後方からチャージする#16 岸本に対し、#83 芳賀がブロックラインを駆使しながら抑える。さらにミドルグループではオープンクラスから出走し6位ポジションを走る#3TETSUO OGINOを先頭に、#39 Oguteaと#94 佐野を挟み、一時は最後尾に転落した#55 田中が激しく追い上げる形で、4台が3秒以内に連なる展開となった。さらにその後方では、レインタイヤで走行を続ける#25 久岡をスリックタイヤを履く#60 seiMeiがかわし、ポジションを10位に上げた。ペースに苦しむGT3-Iクラスのレインタイヤ勢と対照的に、スリックタイヤを履くGT4クラスの#51 山口達雄が順調にペースを上げ、追い上げる形となった。

レース7 ラップ目、トップグループの均衡が動いた。#14 内山が2分9秒022のファステストラップを記録したのに対し、2位を走る#1KEN YAMAMOTOが2分10秒台とペースが上がらず、徐々にギャップが広がっていく。4位争いは7ラップ目のスプーン出口でアウト側に#83 芳賀がはらんだところを、#16 岸本がバックストレッチで並んで130Rでインを差し、オーバーテイクに成功する。ところが8ラップ目の旧ダンロップコーナーことNIPPOコーナーで、ラインを外した#83芳賀がコントロールを失いクラッシュ。ファイナルラップを残してセーフティカーが導入されコース上12台のオーダーが凍結され、そのままチェッカー、完走となった。

第5戦 ドライバーコメント

総合 & GT3―I クラス1位 #14 内山 清士
久しぶりに動かした車のためか。練習中にもあった症状でパドルを何回か操作しないとシフトダウンできないことがレース中盤まで出ていて、どうしてもブレーキを早めに踏まざるを得ませんでしが、レース後半からは正常になったのでペースアップにも繋がり何とか抑え切れました。
GT3―I クラス3位 #16 岸本 裕之
ずっと#83 芳賀選手の後ろに貼りついていたのは、マシンに差がなくて抜くのがホント難しいので、ミスを待とうと他力本願な根比べ状態でした。スプーン後半で差が詰まったので130Rで仕掛けてみました。関西のラウンドはなかなか来られないんですけど、参戦できるところは全力でやりたいです。
GT3―II クラス1 位(総合3 位) #15 橋村 剛
後ろの車両がスピンして間隔が開いてからは、チームメイトを追いながら自分のペースに集中できました。GT3-Iクラスを相手に頑張れるのはセクター1だけで、旧ダンロップコーナーから先はパワー差で追いつけなかったですね。
GT3-I クラス7 位 #25 久岡 卓司
レースはしばらくブランクがありましたが、序盤で一時は8番手にまで上がれたり他車とバトルができて得られるものがありました。レインタイヤで出たのは、安全策もあり序盤は熱が入ってついていけたのですが、中盤以降は路面がドライになってタイヤがタレてきてからは腰砕け気味になっちゃいました。