Porsche Sprint Challenge Japan

2025 第1戦(SUGO) 決勝レポート

第1戦 決勝レース:
時間: 11:37-11:54 / 天候: 晴れ / 路面: ドライ / 気温: 21度 / 路面: 42度

朝一番の予選時から気温も路面温度も上昇する中で、第1戦の決勝レースは11時30分から進行された。3番手グリッドの#83 芳賀誠がフォーメーションラップに出られず、無念のピットスタートとなった。かくしてポールポジションの#1 KEN YAMAMOTOの背後が空いた状態でローリングスタートの火ぶたが切って落とされた。

この状況を利したのは4番グリッドからアウト側から素早くインに寄せて第1コーナーに飛び込んだ#77 MUSASHI。トップ3台は順序を入れ替えることなくクリーンにオープニングラップは推移するが、バックストレッチで早くも#1 KEN YAMAMOTOがリードを広げ、前を行く#16 岸本裕之の後背を#77 MUSASHIがうかがうオーダーとなった。この熾烈な2位争いのすぐ後ろに4番手の#78 七ツ矢孝、同じく3列目からスタートした5番手は#84 佐野隆之、6番手に#11 BOO、さらにGT3-IIクラスの#60 seiMeiを挟んで、ピットスタートの#83 芳賀が追いかける序盤の展開となった。

3ラップを周回した時点で、トップを行く#1 KEN YAMAMOTOは2位以下に約4 秒のビハインドを浴びせ、独走態勢に入る。#16 岸本に#77 MUSASHIがテール・トゥ・ノーズで貼りつき、4コーナーから馬の背にかけて激しく揺さぶるが、#16 岸本もベテランらしい落ち着いたディフェンスラインでスキを与えない。セクター1と2で優る#7 MUSASHIはブレーキングで仕掛けるが、セクター3と4が得意な#16 岸本がサーキット後半で巻き返してマージンを稼ぐ。時折、#16 岸本がハイポイント付近でラインを乱したり、最終コーナーで#77 MUSASHIがリアを少しスライドさせるなど、両者一歩も譲らないまま、コンマ数秒差でバトルは推移した。

レース中盤になると、徐々に4番手の#78 七ツ矢とトップ3台の差が開き始めた。7ラップ目にはその後方、5位を走行していた#94 佐野隆之を第4 コーナーで#11 BOOがインからオーバーテイク、順位が入れ替わった。#94 佐野は続くラップのS字コーナーで痛恨のスピンを喫するが、辛くも再スタートしてレースに復帰した。

レース終盤の9 ラップ目、#16 岸本と#77 MUSASHI の2位争いは息の詰まるような僅差で続く。馬の背コーナーで後者がアウトから揺さぶるも、前者がSPイン・同アウトまで動じない。その約20秒後を#78 七ツ矢、さらに約6秒後の#11 BOOが単独走行する後ろを、ピットスタートの芳賀が約12秒差で背中を追う。

ファイナルラップで約14秒ものビハインドを稼いだ#1 KEN YAMAMOTO が、そのままトップで全12ラップを完了、ポール・トゥ・フィニッシュを遂げた。後半セクションで優位に立つ#16 岸本は#77 MUSASHIを突き放し、それぞれ2位と3位でフィニッシュ。4位フィニッシュは#78 七ツ矢、5位の#11 BOOはその差を4.478秒まで詰めたがあと一歩及ばず。GT3-IIクラスの#60 seiMeiは1ラップダウンでチェッカーとなった。

第1戦 ドライバーコメント

2位 #16 岸本裕之(GT3-I クラス)
追いかけられて大変でしたけど、面白かったです。逃げ切りました、というよりも#77 MUSASHI選手が引いてくれたかな。馬の背コーナーまでの前半セクションでは、もう詰められてキツくて。お互いコースの得意なところが違っていて、でも信頼して走れる相手だから楽しかったです。
3位 #77 MUSASHI(GT3-I クラス)
楽しかったですけど抜きたかったなぁ。でも自分、性格がシャイやから踏み込み切らんかったです。ただ追いかけていたんじゃなく、駆け引きは色々とやっていました。ラインどり、もう少しアウトから向きを変えたらよくなるかな、というところもありました。次への収穫と捉えます。
8位(GT3-II クラス1位) #60 seiMei(GT3-II クラス)
昨シーズンの鈴鹿から参戦していますけど、もっとポルシェで練習して経験を積んでいきたいですね。地元は九州で、30年前にFRの国産車でオートポリスやMINEを走っていましたが、一昨年からまたレースしたくなって再デビューです。911は、これまでの車と全然違う感触です。PSCJはとてもフレンドリーな雰囲気が好きですね。